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毎週お届け 注目中国スタートアップ企業|2024年5月号

 

 

 

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棲息地(Habit@)

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【会社概要】

棲息地(Habit@)は2022年6月に設立された中国のスタートアップ企業で、研究開発、設計、製造、施工、配送、サービスの全過程をカバーし、スマート住宅製品とデジタル設計システムの研究開発を中心に事業を展開している家庭向けのスマート住宅企業。同社は、2024年4月25日に6億5300万元のPre-Aの資金調達に成功したことを発表した。今回の投資では、同社の創業者である沈亜楠(シェン・ヤーナン)氏が以前働いていた中国新興自動車企業「理想汽車(Li Auto)」が投資を主導している。今回の資金調達を受け、同社は、スマート住宅の商品開発やデジタル設計システムの開発、そして中国全国向けインフラ整備基盤の建設を進めていく。

 

【プロダクト】

棲息地(Habit@)の製品は、家庭内の空気の質量、照明、カーテン、ネットワーク接続、そしてガスの安全などを自動的に管理することが可能だ。センサーを家庭内の様々な場所に設置することで、ユーザーはパネルやアプリを通じて、簡単に家庭内の様々な状況を把握することができる。

その中でもL32(3ベッドルーム、2バスルームの建付けのこと)は、環境、空間レイアウト、生活機能、スマート及び美学という5つの次元に基づいた最初の製品となっている。屋内面積90平方メートルを基準に計算し、全体の費用は39万9800元で、55営業日でリフォーム工事を完了できる。この製品は、独自開発のデジタルデザインシステム「iVD(Intelligent Virtual Design)」の最初の成果となっている。iVDシステム内で、ユーザーはパイプの配線やその他の設備の設置を詳細に確認することができ、施工やその後のメンテナンスに役立つ。

また、同社の製品で、家庭内の設備を管理することで、設備のデータ分析を提供し、エネルギー節約と環境保護への貢献も図ることができる。

 

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Habit@のデジタルデザインシステム「iVD」の設計イメージ図
(画像はHabit@のニュースリリースから)
 

 

 

奇諾数智(TOP FAVOR)

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【会社概要】

TOP FAVORは2021年11月に設立された中国のスタートアップ企業で、ビッグデータとAIを基盤として、「偏愛を与える」というブランドコンセプトを掲げながら、「ファッションのAIエコシステム、流行デザイン、IPの育成と運営、消費者とのつながり」を統合した多様な服装ブランドの運営を中心に事業を展開している。同社は2024年5月9日、中東の個人投資家からBラウンドの資金調達に成功したことを発表した。今回の資金調達を受け、同社は、主にAI技術の投入、チャネルの構築、およびチームメンバーの構築を進めていく。

 

【プロダクト】

TOP FAVORは主に8歳から18歳の若年層向けの市場にフォーカスすると同時に、ママファッション市場もカバーすることで、親子ファッションを展開している。同社はAIデザイン、AIマーケティング、AIサプライチェーン、およびAIフレキシブル製造技術を活用し、流行要素を子供・青少年服のデザインに融合し、独自のブランドスタイルを形成している。

とりわけ、そのAIデザインにおいては、生地や色、スタイル、ファッショントレンド、そしてデザイントレンドなど、膨大な情報データベースに蓄積されたデータに基づき、AIによる分析を行うことができる。これにより、従来のデザインにおけるデザイナーのレベルのばらつきや創造性の枯渇、トレンドの見誤り、そして宗教や文化の対立など、多くの主観的な要因を取り除くことで、より正確に消費者のニーズに近い製品を作ることにつながる。

 

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左はTOP FAVORのデジタルデザイナー「GiGi」の設計イメージ、右はその設計イメージ図に基づき設計された商品のイメージ(画像はTOP FAVORのニュースリリースから)

 

 

 

莱芒生物(Leman)

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【会社概要】

莱芒生物は2021年7月に設立された中国のスタートアップ企業で、免疫代謝のリプログラミング(再プログラム化・初期化)とAIをベースに、新型の腫瘍免疫療法の薬剤開発を中心に事業を展開している。同社は2024年4月30日、合肥総合型国家科学センター大健康研究所の専門家の評価を得て、1億元近くのエンジェルラウンドの資金調達に成功したことを発表した。今回の資金調達を受け、同社は、同研究所の高品質な研究開発プラットフォームを活用し、資金提供されたプロジェクトの臨床応用研究を加速させていく。

 

【プロダクト】

莱芒生物は新しい腫瘍免疫療法薬の研究開発、生産、商業化に専念し、腫瘍免疫療法の反応率と有効性を向上させ、実体腫瘍の治癒を実現することを目指している。EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)の研究成果に基づき、世界初の免疫代謝リプログラミング技術「Meta 10」を開発。この技術を利用して、自社の免疫代謝リプログラミングバイオ大分子薬物プラットフォームや代謝強化型免疫細胞療法プラットフォーム、そしてAIスーパー免疫調節因子研究開発プラットフォームを構築している。

そのうちの1つであるAIスーパー免疫調節因子研究開発プラットフォームでは、ガン免疫療法におけるバイオ大分子薬物を最適化し、コア技術であるMeta 10の継続的なアップグレードを実現。このプラットフォームは、最新の深層学習(ディープラーニング)モデルを用いてタンパク質の変異を効率的にスクリーニングし、ターゲットとするタンパク質の安定性と親和性を向上させている。

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左は莱芒生物が研究開発したAIコンピューティングのイメージ、中央はAI補助でのタンパク質改造のイメージ、右は実験検証及びAIからフィードバックのイメージ(画像は莱芒生物のHPから)

 

 

艾感科技(AI-Sensing Technology)

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【会社概要】

艾感科技は2018年12月に設立された中国のスタートアップ企業で、嗅覚チップの開発を専門とし、世界唯一の大規模な商業化実装が可能なガスセンサー配列チップの開発を中心に事業を展開している。同社は2024年5月16日、Pre-Aの資金調達に成功したことを発表した。今回の投資では、主にスマートエコシステム業界を中心に投資する「清水湾資本(CWB CAPITAL)」が投資を主導している。今回の資金調達を受け、同社は、嗅覚チップのビジネス化を促進し、製品開発や市場拡大、そしてブランド構築などの活動をさらに加速させていく。

 

【プロダクト】

艾感科技が開発した3Dナノハニカム(NHC)技術は、三次元多孔質材料を使っており、複数のガスの状況を同時に測定できる。同社が有するAIとデータ解析により、空中の有毒有害ガスや易燃性ガスを正確に検出することで、全方位型の空気監視ネットワークを構築する。同社は同技術により、2021年に従来のガスセンサーが単一ガスしか検出できなかったというガスセンサーの限界を突破した。革新的なAIガスアルゴリズムを開発し、従来のチップを凌駕する性能やコスト、サイズ、そして集積度を持つ世界初の高集積バイオニック・センス・チップの開発に成功している。現時点では、世界中において、同類の商品は見られていないとされている。

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 艾感科技が研究開発した新型ナノガスセンサー(画像は艾感科技のHPから)

 

 

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