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毎週お届け 注目中国スタートアップ企業|2023年4月号

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時識科技(SynSense)

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時識科技(SynSense)は、2020年3月に設立された中国スタートアップ企業で、人の大脳のシミュレーションの機能を代替できる脳型コンピューティングと脳型チップの設計および研究開発を行っている。同社は、23年3月31日に戦略投資で数千万元の資金調達に成功している。今回は、23年3月における2回目の資金調達となっている。

【プロダクト】

同社の新型脳型ビジョンチップ「Speck」は量産出荷を開始しており、世界初の商用量産型ダイナミックビジョン脳型チップとなっている。さらに、超低消費電力脳型プロセッサー「Xylo」は、2023年下半期に量産を開始する予定だ。このプロセッサーの音、圧力、IMU、匂いなどを対象とした感覚処理技術は、消費者向け電子機器、スマートウェア、工業検査などで技術的突破をもたらしている。応用連携の面では、2022年から、自動車のスマートコックピット、スマートセキュリティー、スマートビルディング、小型ロボット、そしてドローンなどの分野のパートナーと全面的な協力関係を構築している。

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時識科技の新型脳型ビジョンチップ「Speck」

(画像は時識科技のニュースリリースから)

 

 

易炭数科(E-C DIGITAL)

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易炭数科(E-C DIGITAL)は、17年11月設立の中国スタートアップ企業で、工業製造業の二酸化炭素排出量データをクラウドで定量化するソリューションをもつ。同社は、23年2月2日に戦略投資で数千万元の資金調達に成功した。今回は、中国EC最大手のアリババ集団の傘下にある金融テックプラットフォーム「螞蟻集団(ANT GROUP)」による単独投資となっている。

【プロダクト】

易炭数科は、製造業における効率的かつ正確なカーボン排出と製品のカーボンフットプリント関連の定量化サービスを提供。代表的な製品には3つある。1つ目は、企業のカーボンデータ管理システムおよび可視化のカーボンアカウンティングサービス「積木炭雲(ジームータンユン)」。2つ目は、国際的なLCA(Life Cycle Assessment、ライフサイクルアセスメント。ある製品・サービスのライフサイクル全体)手法と中国現地の工業材料環境要因データベースに基づき開発・設計した、カーボンフットプリントクラウドコンピューティングシステム「積木LCA雲(ジームーLCAクラウド)」。そして3つ目は、リアルタイムでアルゴリズムモデルを調達し、カーボンデータとLCAの計算を提供するサービス「積木(ジームー)カーボンエンジンAPIサービス」がある。これらの製品は、既に50以上の業界をカバーし、国家能源集団(CHN ENERGY)や中国石油化工集団(シノペック)をはじめとする1000以上の顧客にサービスを提供している。

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易炭数科のカーボン管理プラットフォームのインターフェイス

(画像は易炭数科のニュースリリースから)

注目したいのは、中国鉄鋼業協会のEPD(環境認証ラベル)プラットフォームの構築に参加し、EPDプラットフォーム内に組み込まれた専用計算ツール(EPD Tool)とデータベースの開発を担当していることだ。22年5月19日に公開された中国鉄鋼業のEPDプラットフォームは、将来、中国のすべての種類の鉄鋼製品を対象に、そのライフサイクルを通じた炭素排出量などの環境指標の定量評価を実現するという。これにより、中国の鉄鋼業の持続可能な開発を推進することが期待されている。

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中国鉄鋼業のEPDプラットフォームの発表会の様子

(画像は易炭数科のニュースリリースから)

 

 

極氪(ZEEKR)

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極氪(ZEEKR)は、2021年7月設立の中国スタートアップ企業で、中国大手自動車企業の吉利集団(Geely)傘下のプレミアムスマート電気自動車ブランドだ。同社は、23年2月13日にシリーズAで7.5億ドル(約1011億3200万円)の資金調達に成功した。同社は、今回の資金調達を受けて、主に製品および技術開発、グローバルな事業展開、そしてユーザー体験の向上を進めていく。

【プロダクト】

極氪の主力商品であるモデル「極氪001」は、若々しさを感じさせるハンティングスポーツカー型のデザイン、優れたハードウェア部品の質量と運転時のステアリング感覚、そして同クラス最大級の広々とした室内空間をもつ。このモデルは、21年10月に納車を開始してから、デザイン、仕上がり、スポーツ性などの面で好評を得ており、圧倒的な話題性を有している。また、極氪は、純電気駆動の高性能体験のために作られた業界初のインテリジェントシステム「極氪インテリジェントドライビングシステム」を開発。これにより、極氪001の高い性能と長距離運転のバランスを実現するだけでなく、車両全体の操縦性能と安全性能も高めている。

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極氪の主力製品「極氪001」

(画像は極氪のニュースリリースから)

23年1月31日までに、極氪の累計納車台数は8万台を超え、業界内における新車納車台数の最速記録を樹立。23年には、極氪は2つの新型モデル車両を発売し、製品マトリックスを充実させることで、新車納車台数を倍増する予定だ。同時に、グローバル化のスピードを加速させ、欧州における戦略的展開を優先的に行っていく。

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極氪のスマート工場のPDI(Pre Delivery Inspection)ラインの様子

(画像は極氪のニュースリリースから)

 

 

 

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