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中国双創ナイト「テンセント編」

2020年9月24日(木)に中国双創ナイトをZoomによるオンラインでのウェビナー形式で開催しました。

第21回目となる今回は、テーマを「テンセント編」とし、中国インターネットの雄であるテンセントにフォーカスを当て、テンセント趙剣南氏及びテンセントの戦略協業パートナーである三井物産株式会社の大澤亮氏をお招きし、テンセントの事業と最近の取り組みについてお話をしていただきました。

※「中国双創ナイト」は、中国の双創(「創新(イノベーション)」と「創業(スタートアップ)」)について、情報を共有し、お互いに理解を深めることを目的としています。

それでは、当日のイベントの様子について、報告させていただきます。

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【図1】イベント中の登壇者とジャンシン(匠新)社員の様子

最初の登壇者は、テンセントの趙剣南 (チョウ ケンナン)氏。

趙氏は、ICT 関連業務に20年従事。IBM、Hutchison Wampoa等を経てテンセントに入社。その後中国のインターネット、コネクティドカー等業界の市場開拓に従事。2019年テンセントクラウド国際開拓チームに加わり、日本・韓国のテンセントクラウド及び産業インターネット事業の責任者となる。

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【図2】コロナ下におけるテンセントの取り組みの説明スライド

「コロナ下におけるテンセントの取り組み」

趙剣南氏によれば、創業当時のテンセントは主に消費者向けのインターネットサービスに注力していましたが、これまでに様々な事業を立ち上げてきており、その中でも近年ではテンセントクラウドを立ち上げエンタープライズ部門にも貢献しています。昨今のコロナウイルス下では、「デジタル化交易」、「高効率復業生産」、「学習・娯楽の広域化」の3つの軸に基づきコロナ対策に貢献しました。中国国内外のコロナ対策のために大規模基金を設立しました。 また中国国家の疫病の予防と抑制のため、WeCha tを利用したオンライン上の市民健康状態管理のプラットフォームである、「テンセント健康コード(騰訊防疫健康碼) 」を開発しました。これにより市民の健康状況を適切に把握し、外出証明書として提出でき、かつ市民がリアルタイムで正確なコロナに関する情報の入手が可能となったそうです。企業版WeCha tにより、企業のテレワークの効率を上げ、テンセント教育によるプログラムで学生の学びの継続にも貢献したそうです。

※テンセント健康コードについての詳細

テンセント公式ウェブサイト https://www.tencent.com/zh-cn/business/health-code.html

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【図3】テンセントによる産業のデジタル化の説明スライド

「テンセントによる産業のデジタル化」

テンセントクラウドは、2019年に開催されたテンセントクラウドの産業エコシステム大会で「産業インターネットのエコシステムの育成を加速させる」という方針を発表しました。 テンセントは現在、企業に対してテンセントのテクノロジーにより、企業のサプライチェーンのフェーズ支援を行っています。また2020年に開催された中国インターネット大会においては、「デジタル優先」を企業戦略の原点とすると掲げており、新インフラ建設、データ、産業と消費者インターネットをテンセントの技術で融合させることで、未来都市と未来経済の構築に取り組んでいるそうです。

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【図4】セキュリティについての説明スライド

「セキュリティ」

産業のデジタル化と新技術の応用で極めて重要なのが、セキュリティです。テンセントでは、社会と消費者の膨大な情報量を維持し、保護するため7つの先進的なセキュリティラボにおいて日々高性能なセキュリティサービスの開発と提供を行っています。これまで既に18業界、1万2000社以上にテンセントセのキュリティサービスが使用されたそうです 。また実際に中国の広州で毎年春と秋に2回開催される貿易展示会の広州交易会では、7億回コンテンツを審査し、計130万回以上ものサイバー攻撃をブロックし、ゼロ事故を実現させました。

そして続いての登壇者は、三井物産株式会社の大澤亮氏。

大澤氏は、三井 物産入社後ICT関連の業務に従事。中国では北京、上海、深圳に駐在し、それぞれ現地企業へ出向。現在深圳のファンドにて投資案件の発掘、現地パートナーとの提携業務に従事。

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【図5】大澤氏によるテンセント紹介

「テンセントの強み」

テンセントグループについて詳細のご説明 をしていただきました。大澤氏によるとテンセントは「自分で何でも創っていく」ことが最大の特徴となっているそうです。1998年に法人設立され比較的若い企業ではありますが、創業当時注力していたゲーム事業にみならず、現在では様々な事業に取り組んでいます。主には、CSIGと呼ばれるクラウドサービスを提供する部門、WXGと呼ばれるWeChat や企業版WeCha tであるWecomを担う部門、主にゲーム事業を行うIEG部門、ゲーム以外のメディアプラットフォームの開発運営を行うPCG、広告とFintech等の分野に注力するCGG、技術開発やセキュリティ管理を行うTEGを主力として組織が構成されているそうです。大規模で多種多様な事業を行うテンセントでありますが、インターネット上ほとんどのサービスを網羅し、非常に大きなエコシステムの構築を核に、様々なビジネスと消費者に貢献したいと考えているそうです。

イベント終盤におけるフリートークセッション においては、同業他社であるテンセントとアリババの違いは何かという質問に対してディスカッションが行われました。趙氏と大澤氏によると、両社とも歴史や中国国内の優秀なインターネット企業である等の共通点は多いですが、違いとしてはテンセントはコンテンツの制作者であるという点であるそうです。またアリババは出資して買収という投資の形態をとることがあるそうですが、テンセントは出資した際に経営には干渉せず出資先の会社を自由に発展させ、その中でパートナーとしてテンセントのコンテンツを利用してもらうという投資の形態をとることが多いそうです。

総じて、今回の中国双創ナイトではテンセントの各種事業と最近の動向についてを趙氏と大澤氏から丁寧にご説明いただきました。テンセントの事業の幅はとても広く、今後もテンセントの技術を利用した「デジタル化」を通して、社会と産業を今まで以上に良いものにするために貢献していくということで今後も目が離せません。今回も多くの方に参加していただいて活気のある討論ができ、ジャンシン(匠新)一同大変嬉しく存じます。

日中 のビジネスにおける協力の幅を広げ、両国の持続的発展のために貢献できるよう、匠新は尽力して参ります。今後の双創ナイトを筆頭とするイベントに関しては、オンライン開催ですので、気軽に参加することが可能です。「このブログ記事を読んで、双創ナイトに興味が出た」という方はぜひ次回ご参加ください。

日時などの詳細情報は弊社HPやFacebookにて告知するほか、匠新が配信している「中国イノベーション通信」でもお知らせいたします。

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また「中国イノベーション通信」ではイベントの告知以外にも、中国のイノベーションに関する最新ニュース、コラム、イベントなどの情報を掲載させていただいております。購読を希望される方は弊社までお問い合わせください。

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