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中国双創ナイト「中国事業−その難しさと成功への鍵」

2020年11月19日(木) に中国双創ナイトをzoomによるオンラインでのウェビナー形式で開催しました。第23回目となる今回は「中国事業ーその難しさと成功への鍵」と題して、中国での12年間の経験と知見を持つ東芝中国元総代表の須毛原氏にお越しいただき、中国での既存/新規事業の展開ポイントや、本社からの権限委譲とガバナンス、中国事業展開の意味/意義についてお話いただきました。以下では匠新インターン生の三浦慎之介が当日のイベントについて報告させて頂きます。

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【画像1】ディスカッションでの登壇者の様子

・中国既存事業の展開ポイント

まず、須毛原氏は中国事業の難しさを語る際、中国展開に限らず日本企業が会社と個人のグローバル化に苦戦していることが大きな障壁になっていると語りました。

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【画像2】中国事業の難しさについて

その解決のためには、1:ビジョンの共有2:現地化3:現場主義が重要となるそうです。1つ目に関しては欧米企業のように全体としての明確な方向性を掲げるとともに、中国でのリーダーが社員に対して向かうべき方向を自分の言葉で語りビジョンを共有することが大切なようです。2つ目には人の現地化と商品の現地化があり、優秀な現地人の採用と育成、そして登用することが大切で、適切な権限移譲を行うことによって信頼していることを示すことが現地人のモチベーションとパフォーマンス向上につながるようです。その上で、商品の現地化として、現地のニーズに合わせた商品の仕様変更や開発を行うことが求められるようです。3つ目は、現場に赴き現地関係者との「絆」を大切にし、実際に五感を使って「感覚のベンチマーク」を行うことが大切なようです。須毛原氏は具体例として地方の顧客を訪れた際は、従業員の雰囲気は勿論のこと、オフィスや作業場の環境等にも注目し、本当に信頼関係を築けるか判断していたそうです。

・東京からの権限委譲とガバナンス

続けて、須毛原氏は現地法人と本社の役割分担、権限委譲についても詳細に説明してくださりました。

まとめると、以下のようになるべきだそうです。

計画や予算等:本社が行う。ただ、現地法人が意見を言える関係は必要。

価格や支払い条件:現地法人が主導するが、本社の予算に沿うようにする必要はあり。

広告やチャネル政策:現地法人がリサーチし適切なものを選ぶ。

商品開発、製造、知財、法務、財務、IT戦略:場合によって変わり、今後も議論が必要。

人事政策・給与体系:現地法人が相当頑張る必要あり。日本の人事制度とは変える必要も。

その上で、中国現地法人の幹部には中国人/日本人問わず、経営者目線・オーナーシップ・自責・裁量が求められるそうです。一方で、日本人駐在員には、中国人のネットワークに入り理解すること、それを客観的に伝えること、そして本社を説得し理解を得られるようにすること、心身のタフさが求められると須毛原氏は仰っておりました。

・中国事業展開の意味/意義

そして、中国での新規事業の意義や意味についても取り上げてくださいました。

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【画像3】中国における新規事業の意味について

このような中国で新規事業を進めるためには、企業人から企業内起業人への転換、成功と失敗の定義とその報酬と代償の明確化、通常業務と新規事業開拓のバランス、本社と現地法人の役割の明確化が求められるようです。

最後に、須毛原氏はご自身の中国での経験を通して、現場に行くこと、人と会うこと、とにかく何か始めてみることに注力されており、日本企業が中国展開をする上でも大切になると仰っておりました。

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【画像4】中国における新規事業を進める上で大切なこと

このように実際に現場に行き、人と会うこと、何かを始めてみることで予想外の発見があるのではないかと視聴者の方に問いかけて登壇を締め括りました。 

・ディスカッション

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【画像5】ディスカッションの内容について

さらに、残りの時間では須毛原氏と弊社CEO田中とのディスカッションも行われました。

その中では日本企業、日本人として差別化を図り展開をしながら、現地に入り込み、現地の人にも活躍してもらう仕組みを作り、現地化を進める大切さについて、また大企業の駐在員が新規事業を行う際の任期と評価の問題に関しても議論しました。

その後は視聴者の方からいただいた質問を取り上げ、インタラクティブな交流ができました。中では、ブランディングに関する質問に対して須毛原氏の実際の経験や有名企業のケースを用いてお答えいただきました。弊社CEO田中の方からも中国アリババ、テンセント出身の起業家と出身企業との関係性に触れ、登壇者・視聴者全員で様々な新規事業展開について知見を深めることができました。特に、特定の分野では中国が日本より先行している中、中国で新製品/サービスを立ち上げたのちに日本へ逆輸入しようとする日本企業の動向も取り上げられており、驚かれた視聴者の方も少なくないでしょう。

ジャンシンは今後も、毎月開催している「双創ナイト」をはじめとする各種イベントはZoom等を用いてオンライン開催にする予定です。参加も無料で、他では聞けない中国の最新動向から、ビジネスにつながるイベントまで、豊富なコンテンツをご用意いたしますのでどうぞ気軽にご参加ください。

日時などの詳細情報は弊社HPやFacebookにて告知するほか、ジャンシンが配信している「中国イノベーション通信」でもお知らせいたします。

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また「中国イノベーション通信」ではイベントの告知以外にも、中国のイノベーションに関する最新ニュース、コラム、イベントなどの情報を掲載させていただいております。購読を希望される方は弊社までお問い合わせください。

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