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2回目「Venture to China」開催報告

本イベントは日本のベンチャー企業と中国企業の製品の取引、共同開発、特許の使用許可/譲渡、JV設立等をサポートすることを目的としています。

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2021年1月13日、ジャンシン(匠新)はJETROと共同で2回目となる「Venture to China」を開催いたしました。本イベントは日本のベンチャー企業と中国企業の製品の取引、共同開発、特許の使用許可/譲渡、JV設立等をサポートすることを目的としています。今回は「新材料」をテーマに、中国との事業提携の可能性が高い優秀な日系ベンチャー3社がピッチを実施しました。

今回のイベントは2部制となっており、前半のピッチ後、後半部分では中国事業会社やVCとオンライン個別マッチングを行いました。また今回は深圳市戦略性新興産業発展促進会の協力により9社の中国企業に参加いただき、合計14回のマッチングを実施いたしました。本ブログでは前半のピッチの様子をジャンシンインターン生の三浦慎之介が紹介いたします。

どうして新材料なのか

中国の有名投資ファンドの同創偉業は今後急成長が期待される分野を「三大三新」として大健康、大信息(IT)、大消費、新能源(エネルギー)、新材料、新工業の6つを提唱しています。弊社ジャンシン(匠新)も同創偉業と日々様々なコミュニケーションをとっていく上で、この流れに同意しています。また、日本は新素材生産大国であり、先進的研究の優位性と研究開発成果の実用化により、環境・新エネルギー材料における世界の市場で圧倒的な地位を占めています。中国は巨大な市場を有しており、今後技術力を持った日本の企業が進出を進めていくため、今回2回目となるVenture to Chinaのテーマを「新材料」として実施しました。

登壇日系スタートアップ紹介

株式会社Kyulux

Kyuluxは2015年に日本で設立され、有機EL(有機レーザーディスプレイ)用の次世代発光材料であり従来の4倍の明るさとなる高効率の発光(100%IQE)、低コスト、高い色純度を実現する「Hyperfluorescence」の研究・実用化をしています。 九州大学からライセンスを受けた独占技術をベースに、第4世代の高透光性TADF材料技術を開発しました。 また、2016年にはSamsung、LG、ジャパンディスプレイ、JOLEDなどから1350万ドルを調達し、2019年にはシリーズBの資金調達で3180万ドルを調達したことを発表しています。さらに、中国のBOE、Huaxing Optoelectronics、Visionox、Tianma Microelectronicsなどの企業とも提携をしています。これら中国と韓国の6社で有機EL市場の95%をカバーしています。現在、有機ELの市場は年24%の成長率を誇っており、同社はスマホ、テレビ、自動車のディスプレイなどの市場への展開を進めていく計画です。

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【画像1】株式会社Kyulux ピッチの様子

株式会社ASM

ASMは、「世界に革新と創造をもたらす」というミッションをもとに、世界初のポリマー材料であるSeRMを製造・販売しています。 このSeRMという素材は2005年に東京大学で発見された技術をもとに作られ、耐衝撃性、耐摩耗性、回復性を向上させており、非常に柔らかく弾力性がありますす。 主な用途としては、防振材、衝撃吸収材、遮音材、衝撃吸収材を想定しています。具体的な応用例としては、ゴルフボールに導入されスピン性能の向上を発揮しています。また、折り畳みのディスプレイの湾曲部分への導入も検討されており、復元性能の向上が見込まれています。硬さはあるものの割れや折れに弱いエポキシなどに配合すると硬さを維持しながら耐衝撃性のみ向上させることもできます。このように多くの素材と親和性を持ち応用の効くSeRMを製造するための全ての特許をASMは持っており、同時にノウハウを蓄積していることも強みです。

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【画像2】株式会社ASM オンラインマッチングの様子

株式会社FLOSFIA

株式会社FLOSFIAは、京都大学発の企業で、同社はパワー半導体の研究開発を行っている。パワー半導体とは全ての電気機器に使われていると言っても過言ではなく、省エネ、電気を賢く使うことが求められる現代の社会課題解決、そして今後Society5.0 やIndustory4.0を進めていく上で、に必要不可欠となるものです。特に同社は酸化ガリウムを使った半導体の製造が可能で、これは何十年もイノベーションを支えてきたシリコンに取って代わる素材とされています。 酸化ガリウムはその送電効率の良さから半導体への利用が求められていましたが、様々な技術的課題があり、実現が困難とされていました。しかし、京都大学がMISTDRY技術によって酸化ガリウムを用いた半導体の開発に成功しました。これによって同社はデンソーや三菱重工などの日系の大企業からの投資を受けており、期待されていることがうかがえます。

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【画像3】株式会社FLOSFIA オンラインマッチング 上海会場での様子

ジャンシン(匠新)は日本の大企業と中国のスタートアップ企業双方のオープンイノベーションを推進するプラットフォームとして、日中のビジネスにおける協力の幅を広げ、両国の持続的発展のために貢献できるよう、尽力して参ります。

 

今後も、「新材料」以外の分野で3期以降の開催を予定しておりますので、

中国進出や現地での資金調達を考えている日系スタートアップの皆様はイベントへの参加・登壇の要望がございましたら、お気軽に下記の弊社連絡先からお問い合わせください。また、日系スタートアップへの投資を行なっている大企業もしくは投資家の皆様もご興味がございましたらご連絡くださいませ。

Email:info@takumi.ltd

また、今後開催いたします「Venture to China」及びその他のイベントについては弊社HPやFacebookにて告知するほか、ジャンシンが配信している「中国イノベーション通信」でもお知らせいたします。

HP:http://www.takumi.ltd/blog

Facebook:https://www.facebook.com/f.takumi.ltd

「中国イノベーション通信」ではイベントの告知以外にも、中国のイノベーションに関する最新ニュース、コラム、イベントなどの情報を掲載させていただいております。購読を希望される方は弊社までお問い合わせください。

Email:info@takumi.ltd