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感図科技(GT)
感図科技(GT)は、2018年4月に設立された中国スタートアップ企業で、コンピュータビジョン技術とセンサー技術、AI技術を活用した精密部品の欠陥検出ソリューションを提供。同社は、22年11月21日にステージC+で資金調達(金額は非公開)に成功している。
【プロダクト】
主にSMT半導体と精密機械製造の分野に焦点を置いており、顧客の現場のニーズに合わせ、ソリューションをカスタマイズする。同社はビッグデータプラットフォームを構築し、機器の欠陥検出をすると同時にデータを収集し、ディープラーニング技術で学習を積みかさねることができる。数百枚という比較的少ない画像で学習が可能となっており、欠陥検出の精度は99%以上を達成している。
感図科技の精密部品欠陥検出ソリューションの全体像
(画像は感図科技のニュースリリースから)
未勢能源(FTXT)
未勢能源(FTXT)は、2019年4月に設立された中国スタートアップ企業で、水素燃料電池製品の研究開発と生産を行っている。同社は、22年11月30日にステージBで5億5500万元の資金調達に成功している。
【プロダクト】
水素燃料電池技術の市場運営に焦点を当て、低炭素エネルギーの持続的な発展を促進することに尽力。主な製品には、燃料電池エンジン、パワーパック、35MPa/70MPa(メガパスカル)の車載用水素システム、ボトルバルブ、減圧弁などがある。開発の工程とテストの関係をVの字で表した「Vモデル」という通常ソフトウエア開発において応用される方法論に厳格に則り、自動車向けの燃料電池パワーシステムおよび部品を製造している。中国国内では上海、河北省保定市、国外では日本、ドイツ、カナダの5カ所に研究開発センターを設置している。
未勢能源は四川省の物流企業「螞蟻物流」と連携し、
物流領域の燃料水素化の試みを行っているリサイクル作業場の様子
(画像は未勢能源のニュースリリースから)
軽舟智航(QCRAFT)
軽舟智航(QCRAFT)は、2019年5月に設立された中国スタートアップ企業で、物流から消費者向けのモビリティサービスの応用シーンをカバーした、乗用車及び商用車の両方を対象とする「レベル4」(特定条件下での完全自動運転が可能)の自動運転技術研究開発に取り組んでいる。同社は、22年12月2日にステージBで数億元の資金調達に成功している。
【プロダクト】
独自の自動運転技術開発方法論「自動運転超級工廠(スーパーファクトリー)」を創出。スマート運転の「小四化(ユーザー初期体験の標準装備化、ミドルエンド体験の標準化、ハイエンド体験の大衆化、究極体験の革新化)」を独自に提唱している。これは、自動車業界の現在のトレンドである「四化(コネクテッド化、自動化、シェアリング化、電動化)」に倣い、同様の方向性を示すスマート化をさらに細分化したものに相当する。直近では、都市公共交通シーンを対象とした自動運転バス「Robobus(ロボバス)」の実装を進めている。同社の自動運転車両は、資金調達完了時点で、蘇州、深セン、武漢、北京、無錫、嘉興など中国国内10都市において試験的な運用が行われている。
山東省淄博市にある高新区東部山体公園の複雑な道路シーンにて
試験運用される軽舟智航の自動運転バス「Robobus(ロボバス)」
(画像は軽舟智航のニュースリリースから)
一般道路にて試験運転される軽舟智航の自動運転乗用車
(画像は軽舟智航のニュースリリースから)
勱微机器人(Multiway Robotics)
【会社概要】
勱微机器人(Multiway Robotics)は、2019年4月に設立された中国スタートアップ企業で、屋内を主な対象とするスマート物流ソリューションを提供。同社は、22年12月14日にステージBで2億元(約40億円)の資金調達に成功している。ステージB+で数千万元の資金調達に成功している。
【プロダクト】
ハードウェア製品には、無人フォークリフトシリーズ、AMR(自律走行搬送ロボット)シリーズ、トラクターシリーズ、そして、スマート4方向シャトル(four-way shuttle)シリーズ、ソフトウェア製品には、デジタル化を担う「勱微クラウド」、可視化を担う上層システム、柔軟性を付与する「天眼視覚システム」、そして独立したモジュールをもつ下層車載システムというソフトウェアアーキテクチャー基盤を形成。標準化された製品と柔軟なカスタマイズが可能なソリューションにより、荷物の収集、搬送、保存、取り出しを一体化したスマート物流ソリューションを迅速に開発できる。今回の資金調達完了時点で、食品、医療、新エネルギー、自動車などの20以上の業界における数百社の大企業にサービスを提供してきた。
勱微机器人のソフト・ハードウェア一体化スマート物流ソリューションのイメージーン
(画像は勱微机器人のニュースリリースから)
勱微机器人のスマート4方向シャトル(four-way shuttle)を搭載した
化学工業企業の倉庫物流システムの様子
(画像は勱微机器人のニュースリリースから)
藍幸(ランシン)
【会社概要】
藍幸(ランシン)は、2020年3月に設立された中国スタートアップ企業で、AIの能力により、サプライチェーン上の端末間の意思決定をデジタル化する、サプライチェーン最適化ソリューションを提供。同社は、22年12月21日にステージAで数千万元の資金調達に成功している。
【プロダクト】
構造化された上位構造と標準化されたデータモデルにより、サプライチェーンの計画とその最適化が可能な標準ソフトウェアを提供。様々な業界の多様なシーンに柔軟に応用できるサービス標準化能力とソリューションのローカル化能力をもち、企業のコスト削減と効率化を迅速に支援。主要製品であるサプライチェーン意思決定ミドルプラットフォーム「SCATLAS」をもとに、サプライチェーンの計画、サプライチェーン規則の最適化、サプライチェーン上の端末間のトレーサビリティ確保などを実現。同社の顧客には、中国EC大手「京東(JD)」や中国ビール大手「青島啤酒(青島ビール)」、そして日本サプライチェーンコンサル企業「BigM」などがいる。
サプライチェーン意思決定ミドルプラットフォーム「SCATLAS」
(今回の資金調達元の1つである「微智数科」のニュースリリースから)