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如祺出行(OnTime)は2018年3月に設立された中国スタートアップ企業で、スマートモビリティプラットフォームサービスを展開している。同社は2022年4月26日にシリーズAで10億元の資金調達に成功した。
【プロダクト】
スマートコネクテッドカーのシェアリングモビリティエコシステムの創出を目指し、スマートモビリティサービス事業を手掛ける。国有自動車企業大手の広汽集団などの共同出資により設立され、2019年6月から正式にサービスの運営を開始。同社は、広東省と香港、マカオを巨大な経済圏に見立てて一体開発する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」を拠点地区とし、すでに広州や仏山、珠海、深セン、そして東莞などでサービスを展開し、グレーターベイエリアの中核都市でのユーザー浸透率は30%を超えている。2022年内には、完全自動運転によって運行するタクシー(ロボタクシー)を200台以上投入し、試験運転を行う予定だ。
商業化運営実装の本格展開を予定している如祺出行のロボタクシーの走行中の様子
(画像は、如祺出行のニュースリリースより)
脉楽生活(MAILE MARKET)
脉楽生活(MAILE MARKET)は2020年4月に設立された中国スタートアップ企業で、飲食業界のデジタル化オペレーションとその管理プラットフォームサービスを手掛けている。同社は2022年5月5日にエンジェルで数百万元の資金調達に成功した。
【プロダクト】
飲食業界企業のインターネット運営·管理プラットフォームを構築·提供している。彼らが提唱するのは、地理的位置に基づいたライフスタイルメタバース(LBM)だ。運営する飲食インターネットプラットフォームは、潜在·既存顧客とのコミュニケーションのためのプライベートトラフィックプールの設立、運用、マーケティングを実現できる。2022年3月15日には、メタバースVRアプリ「脉楽城市」を正式にリリース。このアプリのリリースにより、脉楽生活のサービスを利用する飲食店では、顧客がアプリやその中のゲームで遊んだり、割引を得ることができるようになっている。2022年6月1日には、スマートフォン端末用の「脉楽城市」をリリース予定。
脉楽生活が2022年3月15日にリリースしたメタバースアプリ「脉楽城市」
氫航科技(Qinghang Tech)は2017年11月に設立された中国スタートアップ企業で、水素燃料電池とその電池を搭載した長時間低空飛行ドローンの設計や研究開発を手掛けている。同社は2022年5月7日にステージAで数千万元の資金調達に成功した。
【プロダクト】
中小型飛行物体の飛行時間のボトルネックを解消する水素燃料電池の開発を手掛ける。当社のドローン用燃料電池の電力システムは、すでに1キログラム当たり600~1000ワット時のエネルギー密度を達成。これは通常のリチウムイオン電池の電力システムの4~6倍に相当し、より小さな体積でより多くの電力を取り出すことができるようになっている。導入事例として、中国の物流配達ドローンを手掛けるスタートアップ「迅蟻(シュンイー)」や石油化学、電力、海上保安分野などの国営企業との連携を展開している。直近では、ドローンのみならず、大型自動二輪車や小型物流車、そして無人運転車への応用事例の創出に向けた取り組みも始めている。
氫航科技の燃料電池電力システムを搭載したドローンの飛行中の様子
(画像は、氫航科技のニュースリリースより)
氫航科技の燃料電池電力システムを搭載した大型自動二輪車の様子
(画像は、氫航科技のニュースリリースより)
雲豹智能(Jaguar Micro)
【会社概要】
雲豹智能(Jaguar Micro)は2020年8月に設立された中国スタートアップ企業で、クラウドコンピューティングおよびデータセンター用のDPU(データプロセッシングユニット)のソリューションを提供している。同社は2022年5月12日に戦略投資による資金調達(金額は非公開)に成功した。
【プロダクト】
クラウドコンピューティングおよびデータセンター用のDPUとそのソリューション開発や提供に特化している。当社は、中国で最も経験豊富なDPUチップ設計とソフトウェア開発チームを擁する企業の1つ。中国初の高性能なクラウドネイティブ(クラウドを基盤として実行されるアプリケーションの中身にまで踏み込み、クラウドに最適化させること) DPU SoC(システム·オン·チップ)チップとそのソリューションを提供し、コンピューティングにおける新しい技術ニーズに対応。
雲豹智能(Jaguar Micro)が2021年12月15日に発表した雲霄DPU製品
(画像は雲豹智能のニュースリリースより)
安擎
【会社概要】
安擎(Engine Tech)は2017年5月に設立された中国スタートアップ企業で、AIサーバーを始めとしたサーバー機器とそのカスタマイズソリューションを提供している。同社は2022年5月9日にステージBで数億元の資金調達に成功した。
【プロダクト】
サーバーのライフサイクル全体に関わる専門的な研究開発と生産能力を有し、AIサーバーを代表とするサーバーの提供を行う。同社のAIサーバーは、超高性能、超高度コンピューティング密度、超高エネルギー効率、高速ネットワーク帯域幅を特徴と、コンピューティング密度は業界標準の1.7倍、エネルギー効率は業界標準の1.21倍となっている。現在、天津市を主要拠点、北京を運営センターとし、販売網とサービス拠点を中国全土に広げている。米調査会社のIDCが発表する2021 年中国半期加速コンピューティング市場分析レポートでは、2021年通年のAI サーバー出荷台数において、国内第 2 位(シェアにして、10.5%)にランクイン。近年、中国サーバー市場でのシェアを拡大している。
安擎の最新AIサーバー「EG940A-G20」は、スマートシティやスマート医療、天文探査、そして石油探査など、高度なコンピューティング性能を必要とする応用シーンにおける深層学習モデルの開発およびトレーニングに適している。(画像は、安擎のニュースリリースより)
訊能集思(Synergies)
【会社概要】
訊能集思(Synergies)は2018年12月に設立された中国スタートアップ企業で、AIビジネスインテリジェンスツールプラットフォームサービスを提供している。同社は2022年5月16日にステージBで数千万ドルの資金調達に成功した。
【プロダクト】
スマートBI(ビジネスインテリジェンス)ツールのベンダー。 コア製品は、AI特化型のノーコードBIプラットフォーム「JarviX」。このプラットフォームでは、製造や品質管理、オペレーション、そして財務などの部門の企業の人員が、プログラミング技能を必要とせずに、ドラッグ&ドロップのみで自主的にデータ分析を完了することができる。現在「JarviX」を通じて、主に電子製造や自動車部品製造などの業界における年間生産額5億元以上の大企業および年間生産額1~5億元の中堅企業の合計約100社の顧客との取引がある。上海に本部があるほか、台北、シンガポール、そして米国ボストンに支店を構える。
米調査会社ガートナーの強化分析ツール市場ガイド代表ベンダーにも選出されている
(画像は訊能集思のニュースリリースより)