2019年12月23日(月)に、XNode静安 Event Spaceにて、「1st PFU Open Challenge」を開催しました。
本プロジェクトは、今年の6月に上海で開催された「CES Asia」において弊社で開催した「CES Asia解説ツアー」にPFUの方にご参加頂いたことをきっかけとし、その後プロジェクトの内容についての協議を経た上で国慶節開けの10月中旬よりスタートしました。最大の目的として、PFUと中国スタートアップ企業とで新規事業の開拓やイノベーションへの取り組みを加速することを挙げています。
これは、日中共同のプロジェクトの1つであり、今後本格的に進めていくに当たっては日本の本社と中国の現地企業とが協力して推進していく必要があることから、日本のPFUからご参加を頂くと同時に上海現地のPSHやPSSの皆さまにもご参加を頂きました。当日は、会場に約50名ほどが駆けつけ、終始専門家や業界関係者様たちの質問や討論が飛び交う熱いイベントとなりました。
ここでは、匠新インターン生齋藤慶太が、当日発表を行った5社の会社紹介と発表内容について簡単に振り返りたいと思います。
まずは、唯鏈VeChain。
当社は、データの信用性の確保、商品情報偽造の防止、サプライチェーンの全体のデジタル化及び情報の管理、データ認証とフロー認証などを含む総合的なブロックチェーンサービスを提供しています。ブロックチェーン技術によりデータの信用性を高めることで、これまでデータ化できなかった情報を取り扱うことを可能にすることで、クライアント企業のブランドに新たな付加価値をもたらし、また新たなビジネスモデルを開拓しています。
登壇者である当社プロジェクトディレクターの田新立氏は、自社のブロックチェーンの信用の重要さを強調し、従来の個別ソリューション解決能力のみならず、より柔軟な応用が効く総合的な解決能力を実現する必要性を訴えました。当社は、4年間の国際レベルでの集中的な研究蓄積により業務の高度な標準化を実現しており、実装の際は時間をかけず応用に移せるという優位性があります。しかし、営業利益モデルの開発や金融分野における応用についてはまだ探索の必要があるとしました。
2番目は、梅卡曼德Mech-Mind。
当社は、知能を産業用ロボットに与えることに注力しており、コア技術には、3Dビジュアルやスマートプログラミングモデル、スピーディーな環境のモデリング、スマートな計画アルゴリズムなどを含むんでいます。ロボットを単一的な動作を繰り返すだけの不器用な機械から誰でもなんでも利用できるスマートなパートナーに一変させることが核心技術です。
登壇者である当社マーケティングVP&BD&役員の徐婷婷氏は、AI+3D視覚技術認識機能の組み合わせの優位性を強調しながら、日本企業数社を含めた実際の応用案件を紹介しました。特に最近の注目すべき技術として、荷物分類検査機を挙げました。サイズの異なる対象に対しても即座に3D画像データを通して物体の相違を認識し、それに基づいて分類するという画期的な技術。2019年12月18日(水)から21日に東京にて開催された2019国際ロボット展にも出品され、日本企業からも多くの注目を集めたようです。
3番目は、国訊芯微NIIC。
当社は、エッジコンピューティング技術に注力し、AIチップをあらゆる工業機器に搭載することで、工業のスマート化を実現しています。製造過程における工業機器の反応速度の向上などによる生産性の向上に加え、機密データの遺漏防止にも力を入れています。
登壇者である当社プロダクトマネジャーの娄强氏は、ハイテク技術を使って人々のコミュニケーション方法を変えることを自社の大きな目標として挙げました。そして、比較的安価かつ手に入れやすい、疲れを感じさせないスマートグラスを紹介し、それら製品を活用したA I物体認識機能、A Rによる装備設備検査、さらに場所を選ばないAR会議などの応用が実現できるとしました。
最後に、以見科技onesight。
当社は、建築のテクノロジーとイノベーションを専門とし、AR、AI、IoT等の最新技術と製品を開発し、建築のライフサイクルでの運用を展開しています。建築領域向けソフトウェアとサービスを提供し、設計展示・施工検査・維持運用等の建築のライフサイクルでのニーズに応じて、各段階において可視化のサービスと指導を行います。
登壇者である当社パートナー&共同創業者の蒋童氏は、建設工程の設計プログラムをARモデル化を利用して可視化し、建設物の工程において生じうる不確実性を解消できるとしました。その際に使う3Dマッピング技術は通用性を既に有しており、様々なモバイル端末から利用が可能である点も強調。日本有数の建設業界各社とも連携しているそうです。
最終的に審査員の方々の厳正な審査を経て、優秀賞を獲得したのは、亮亮視野 LLVison(GLXSS)。
受賞の理由として、やはり工業・商業への応用シーンがどちらもはっきりしており、分かりやすいうえに、PFUの方々にとっても自社の現状を鑑みて、今後連携の機会が見込まれると判断されたからでしょう。しかし、どのチームもPFUの現状をもとに、自社のビジョンと核心製品・サービスを応用シーンを例に、分かりやすく紹介しようと努力されていました。
非常に熱気のこもった発表の部及び表彰の部が終了した後のアフターイベントにおいても、お互いの製品や技術を理解し、今後のビジネスチャンスを探ろうと多くの参加者が、立ったまま熱く議論していました。中には、製品をその場で体験し始めた方もおり、まるで博覧会の商談スペースにいるかのような雰囲気でした。
大成功に終わったと言える今回のイベント「PFU Open Challenge」。当時は同時通訳も同行しての開催になりましたが、それを物ともせず、言葉の壁を乗り越えて日中のビジネスマンが腹を割って議論し、ビジネス機会をお互いに真剣に探り合っていく姿には、実に感動させられました。イベントの終了時に、今回参加頂いたPFUの取締役執行役員専務である蒲田 顕久氏は今回のイベントを受けて、「自社のみならず日本の企業は最先端技術を有する中国の企業ともっと協力していけると確信を持った」とおっしゃっていました。
我ら匠新が聞きたいのは、まさにこの声であり、目指しているのは日中企業双方が刺激し合い、協力して創新していく道標を示す匠となることです。今後も、今回のPFU Open Challengeを皮切りに、日中加速器・孵化器(アクセラレーター、インキュベーター)として両国のイノベーションの促進をより、対象を絞った密着型の形式でも実行していく次第です。
「このブログ記事を読んで、アイデアソンに興味が出た、ぜひ次回参加したい」という方は、弊社までお問い合わせください。また、弊社の最新情報については、「中国イノベーション通信」にて、イベントの告知のみならず、中国のイノベーションに関する最新ニュース、コラム、イベントなどの情報を掲載させていただいております。
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中国側参加企業各社のHPは以下でご覧いただけます。
唯鏈VeChain→
https://www.vechain.com/(English/Chinese)
梅卡曼德Mech-Mind→
http://en.mech-mind.net/ (English/Chinese)
国訊芯微NIIC→
http://www.niic.net.cn/ (English/Chinese)
亮亮視野 LLVison(GLXSS)→
https://www.llvision.com/html/index.html (English/Chinese)
以見科技onesight→
https://www.onesight.com/ (Chinese)