2025年12月4日、ジャンシン(匠新)が主催する「2025日中イノベーション・デイ」が東京にて開催されました。
当日は日中の企業、投資機関、業界団体、メディアなど約200名が参加し、テクノロジーを軸に、日中企業間の産業連携や市場機会について活発な議論が交わされました。本イベントを通じて、日中間のイノベーション交流のさらなる促進が図られました。

日本企業講演
本セッションでは、中国市場で確かな実績を積み重ねてきた日本企業各社が登壇し、最新の取り組みや現場で得た知見を共有しました。
● PKSHA Algorithm Fund Partner(中国部門)兼
DANNY Pro. Holdings Limited CEO 板谷俊輔氏
AI発展の流れを「デジタル基盤整備」「社会実装型AI」「生成AI時代」の3段階に整理し、中国AIの高い革新性と成長ポテンシャルを強調。さらに、オープンソース技術の活用や活用シーンの共同設計など、日中企業が共創できる領域の広がりを示しました。

● リコーRDS 中国総合戦略部 部長 兼
Ricoh Software Research Center (Beijing) Co., Ltd. 社長 藤本豪氏
「日中企業協同イノベーションプラットフォームの取り組み」をテーマに、理光中国研究院(北京)の研究開発の歩みを紹介。2021年に始動した「リコーハッカソン」を中心に、日中企業・スタートアップとの共創エコシステム構築や人材育成の成果を共有しました。

● 三井住友海上火災保険株式会社
ビジネスデザイン部 部長 菅匡彦氏
SDGs/CSV×DX戦略や保険機能の高度化、さらに電動化・自動運転分野への取り組みなど、日中協業による社会課題解決の事例を紹介。同社は2022年に上海でGDHを設立し、中国を実証拠点とした「実証×リスク×デジタル(Real × Risk × Digital)」を軸に、保険ビジネスの革新と新規事業創出を推進しています。

● CHINOH.AI株式会社
CEO 斎藤誠一郎氏
「中国ロボティクスの日本応用:現状・経験・展望」をテーマに講演。中国の先進的なロボット技術を活用した、日本の工場・倉庫向け自動化ソリューションを紹介し、さらに高齢化社会への対応として、農業・介護・交通・建設など幅広い分野への展開可能性を示しました。

ジャンシン(匠新)講演
弊社の創業者兼CEOの田中は、匠新10年間の歩みと成果を振り返るとともに、今後10年を見据えた新たな構想として「日中イノベーションエコシステム産業投資ファンド」の立ち上げを発表しました。ディープテック分野において、より強固なプラットフォームの提供とリソース統合を進めていく方針を示しました。


当日は、SenseTime日本法人代表・李成蹊氏との戦略パートナーシップ協定の発表も行われました。あわせて、中日両国のAI分野における人材・技術・ビジネスモデルの相互補完に着目し、商湯(SenseTime)のAI研究開発人材の強みを活かし、日本企業とのCo-Innovationを通じて、AI技術を基盤とした新たな製品・サービスの創出を目指す考えを示しました。

中国企業講演
中国のテック企業各社からは、自社の技術力や国際展開の成果が紹介され、日本市場との連携可能性についても示しました。
● SenseTime
日本事業副総経理 李成蹊氏
基盤モデル、協業エコシステム、国際展開の進展を紹介。金融・教育・公共安全・デバイス領域など多分野へのAI導入事例を共有しました。

● BytePlus日本
営業責任者 袁晨明氏
BytePlus(ByteDance傘下)は生成系AIに注力し、画像生成・映像制作・デジタルヒューマンの最新技術と応用事例を紹介しました。2024年以降、AIネイティブアプリや企業向けサービスでの大規模AIモデル商用化を加速しており、最新の画像生成モデル「Seedream 4.5」についても言及しました。

● MytePro Technology
日本市場事業責任者 張少静氏/
アシオット株式会社
代表取締役 三上楊平氏
MyteProとアシオットは、電気・ガス・水道メーターの検針およびデータ分析自動化ソリューションによって、これまで可視化されてこなかったデータが事業価値になる可能性を提示しました。また、両社の技術力と知見のシナジーによって、日本においても不動産分野でのDX化を共同で推進していく方針を示しました。


● イーハンテック(益航科技)
顧問 楊鳴一氏
中国の57空港で導入が進むスマート手荷物カートを紹介。位置認識技術や大型ディスプレイ、充電機能などを備えており、日本市場向けには新会社「C-MAX JAPAN(仮称)」の設立準備を進めていることも発表しました。

● ハイロボティックス(HAI ROBOTICS)
GC&JP業務センター SDR 周麗華氏
新製品「HaiPick Climbシステム」を含む倉庫自動化ソリューションを披露。わずか2分で棚からワークステーションへ搬送可能な高い効率性や、事業成長に応じて柔軟に拡張できるモジュール式設計を紹介するとともに、40カ国以上で事業を展開しているグローバル実績も示しました。

パネルディスカッション、展示交流
黒鳥社コンテンツディレクターの若林恵氏、hoppin CEOの滝沢頼子氏、そして田中によるパネルディスカッションでは、「他国市場との比較から見る中国テックの特徴」をテーマに議論が行われました。
インドや日本などの市場との比較を通じて、中国における新技術の高い受容性、モバイルインターネット・AI・ハードウェア分野における強みが多角的に語られ、さらに第三国市場での日中企業の協業可能性についても深い意見交換がなされました。

また、会場内に設けられた「日中イノベーション展示エリア」には計8社が出展し、来場者同士や登壇企業との名刺交換・意見交換が活発に行われ、会場は大いに盛り上がりました。



田中はインタビューの中で、「今後も『日中イノベーション・デイ』を継続開催し、日中企業の出会いと協業機会を創出する場を提供していきます」と述べました。
ジャンシン(匠新)は、これからも日中イノベーションの架け橋として、交流と共創を力強く推進してまいります。