2026年8月20日、朝日新聞に、ジャンシン(匠新)代表・田中年一へのインタビュー記事「中国AI、どうすごい? 性能や米国との違いなど、識者が詳しく解説」が掲載されました。

今回のインタビューでは、中国AI産業の現在地をテーマに、AI企業の競争環境、人材・資金が集まる背景、オープンモデルの広がり、そして半導体を含む計算基盤の動向などについてお話ししました。
中国AI市場で進む「群雄割拠」
現在、中国では大規模言語モデル(LLM)を開発する企業が多数存在し、それぞれが異なる技術やユースケースを軸に競争を続けています。
中国では、成長が期待される産業が現れると、人材と資本が短期間で集まり、企業間の競争が一気に激しくなる傾向があります。EVやロボティクスなどで見られた動きが、AIの領域でも起きています。
今後は市場の淘汰が進む一方で、基盤モデル、業界特化型AI、AIエージェント、フィジカルAIなど、それぞれの領域で強みを持つ企業が成長していくと考えられます。
人材と資本が支えるAIエコシステム
中国AI産業の成長を支えている要素の一つが、豊富なエンジニア・研究人材です。
主要大学によるAI・データ分野の人材育成に加え、海外の大学やテクノロジー企業で経験を積んだ人材が中国で起業するケースも増えています。
資金面でも、民間のベンチャー投資に加え、地方政府系ファンドなど多様な資金供給主体が存在します。
近年ではAI企業の上場事例も生まれ、ソフトウェア・AI領域における投資回収の可能性が示され始めたことで、スタートアップや投資家の活動もさらに活発になっています。
中国AIの特徴の一つ「オープンモデル」
中国AIを理解するうえで重要なキーワードの一つが、「オープンモデル」です。
モデルをダウンロードし、自社のサーバーや環境で運用・カスタマイズできることから、利用企業にとってはコストや運用の自由度という面でメリットがあります。
特に、自国のインフラ環境に合わせてAIを導入したい企業や地域にとって、こうしたモデルは一つの選択肢となっています。
AIモデルそのものの性能だけではなく、「どのように導入できるのか」「どのようなコスト構造で利用できるのか」といった点も、今後のAI市場を考えるうえで重要になっていくでしょう。
AI競争を支えるのは「総合力」
AIの発展には、モデル開発だけでなく、半導体、データセンター、電力、クラウド、ソフトウェア、人材など、さまざまな要素が関係します。
先端半導体をめぐっては中国企業にとって制約も存在しますが、一方で、複数のチップを組み合わせた計算基盤や、電力・インフラを含めたシステム全体で計算能力を高めようとする取り組みも進んでいます。
中国AI産業を見る際には、個別のAIモデルの性能だけではなく、その背後にある産業基盤やエコシステム全体を見ることが重要です。
中国テックの変化を、産業の現場から
ジャンシン(匠新)は、上海・深圳・東京を拠点に、日中のテック連携やオープンイノベーションを支援しています。
AI、ロボティクス、モビリティをはじめ、中国のテクノロジー産業は非常に速いスピードで変化しています。
話題性のある個別企業や技術だけを見るのではなく、人材、資本、サプライチェーン、事業モデル、社会実装といった複数の観点から産業構造を捉えることで、中国市場で起きている変化をより立体的に理解することができます。
今後もジャンシン(匠新)は、中国テック産業の現場に根ざした情報と知見を発信し、日中企業の新たな事業機会や連携につなげていきます。
掲載記事
朝日新聞
「中国AI、どうすごい? 性能や米国との違いなど、識者が詳しく解説」
2026年8月20日掲載
聞き手:朝日新聞 上海・里見稔氏
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