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毎週お届け 注目中国スタートアップ企業|2024年10月号

 

 

 

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雷鳥創新(Rayneo)

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【会社概要】

Rayneoは、2021年12月に設立された、中国テレビ大手のTCL科技集団傘下のブランド企業で、AR(拡張現実)メガネ研究開発を手掛ける。消費者向けARエコシステムの構築に注力しており、高品質なAR製品をユーザーに提供している。 同社は2024年9月25日、ラウンド B+で主に技術革新と成長型企業への投資に焦点を当てた中国VC(ベンチャーキャピタル)「嘉興南湖科盈(Jiaxing Nanhu Keying)」、革新的なスタートアップ企業を支援することに特化した投資会社「嘉興南湖嘉新創禾(Jiaxing Nanhu Jiaxin Chuanghe)」、産業発展支援を目的としたハイテク企業への投資を行うVC「無錫惠開正合(Wuxi Huikai Zhenghe)」などから数億元の資金調達に成功したことを発表した。

 

同社は、今回の資金調達を受け、主にAI及びAR技術の研究開発、AR製品の研究および製造拠点を増設。これにより、消費者向けAR市場における同社のリーダーシップをさらに強化・拡大し、製品の普及と技術革新を加速させていく。

 

【プロダクト】

Rayneoは2023年、MicroLEDおよび光導波路を利用した世界初の両眼フルカラーARメガネ「雷鳥X2」を発表。併せてその量産を開始後、光学エンジンの設計および量産プロセスを全面的にアップグレードしている。これにより、前世代の製品と比較し、新世代のフルカラーMicroLED光学エンジンの体積は約50%縮小、光学機械の量産良品率は95%に向上。これと同時に、製造工程の改良、光導波路の設計および重要なアルゴリズムの技術的突破によって、最新のARメガネ「雷鳥X3」の全体重量は約60gまで減少している。同製品は、前世代と比較し、バッテリー寿命が約50%向上、視認可能輝度(ディスプレイの明るさ)も2倍以上に向上しているという。

 

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Rayneoが発表した発売予定の新世代ARメガネ「雷鳥X3」
(画像はRayneoのニュースリリースから)

 

 

 

深度原理(Deep Principle)

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【会社概要】

Deep Principleは、2024年2月に設立された、特に化学材料の研究開発に焦点を当て、AI駆動型の化学研究を推進する企業である。同社は、AI、量子化学、及びハイスループット実験(HTE)技術を活用し、材料イノベーションのワークフローを改善し、研究開発の効率を加速させることに注力する。 同社は2024年10月9日、エンジェルラウンドで主に生物医療やソフトウェアサービス開発企業への投資に焦点を当てたVC(ベンチャーキャピタル)「高瓴創投(GL Ventures)」からの資金調達(金額は未公開)に成功したことを発表した。

 

同社は、今回の資金調達を受け、技術開発の研究、人員の拡大、およびグローバルの化学材料企業との協力を加速し、また生成式AIの化学及び材料化学における実際の応用を推進させていく。

 

【プロダクト】

Deep Principleは、AIを活用して材料開発プロセスを再構築し、既存の重要な化学反応を最適化することで、重要な新材料や新反応の発見に注力している。同社は、AIを基盤とした化学反応の遷移状態の効率的な予測といった業界最先端の技術課題を克服。現在、同社のコアとなるアルゴリズムモジュールは以下の4つに分かれている。

 

ReactControlは、複数の機械学習(ML)モデルを用いて即時決定を行うことで、化学実験のコストと精度の最適解を見出すことができる。ReactBOは、ベイズアルゴリズムとアクティブラーニングを組み合わせることで、化学材料の探索と反応条件の最適化を行う。Reactifyは、レコメンデーションアルゴリズムエンジンを使用して手法選択と意思決定を改善し、実験誤差を6倍削減することで、ハイスループットDFT計算を実験レベルの精度にまで上昇させることができる。そして、ReactGenは、生成式AIを用いて新しい化学材料や反応を能動的に生成し、迅速にサンプリングを行うことができる。

 

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Deep Principleのコアとなる4つのアルゴリズムを組み合わせたモジュールプラットフォームのイメージ図(画像はDeep Principleのニュースリリースから)

 

 

 

平方和(Sigma Squares Tech)

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【会社概要】

Sigma Squares Techは、2018年3月に設立された、特にデータ分析とAI技術を活用して、生産・製造系企業の意思決定支援ソリューションを提供する企業である。同社は2024年10月17日、Bラウンドで主に新エネルギー領域を主とする投資管理ファンド「同創偉業(COWIN Capital)」、主に集積回路の全産業チェーンに注目するVC(ベンチャーキャピタル)「元禾璞華(ORIZA)」、主に医学研究領域を専門とするVC「雅惠投資(ALWIN Capital)」などからの数億元レベルの資金調達に成功したことを発表した。同社は、今回の資金調達を受け、江蘇省蘇州市に華東センターを設立し、さらなる医療機器および消耗品向けのスマート製造システムの研究開発と生産を拡大させていく。

 

【プロダクト】

Sigma Squares Techは現在、企業向けクラウドビジョンソフトウェア「Sirius」、透明素材の検査製品シリーズ「Insvis」、大規模医薬品製造検査システム製品シリーズ「Pharmvis」、高性能タッチ検査プラットフォーム製品シリーズ「Tipvis」、医療消耗品製造検査システム製品シリーズ「Medivis」の五大製品ラインを保有している。

 

中でも、主力製品ラインのInsvisは、透明素材や柔軟素材の欠陥検出を切り口としたコア技術を基盤に、製造、検査、産業データ収集およびフィードバックを統合したスマート製造プラットフォームを提供。同社は創業以来、高難度かつ高い複雑度を誇るビジョン検査分野において積極的な研究開発を行ってきた。こうして、検査モジュールから独立した検査設備、さらに生産検査を統合したスマート製造ラインの構築に取り組んでいる。

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透明素材の検査製品シリーズ「Insvis」のイメージ図(画像はSigma Squares Techのニュースリリースから)

 

 

 

 

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