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「日中イノベーション・デイ」開催報告

2022年8月29日、日中でのスタートアップおよびイノベーション共創を推進するアクセラレーターである「ジャンシン(匠新)」が上海展覧中心にて「日中イノベーション・デイ」を開催しました。

「以心創新」をスローガンとする「日中イノベーション・デイ」は、中国科学技術部主催の「グローバル技術移転EXPO」における日本をテーマとした特別イベントとして開催。構成はオフラインの「日中企業イノベーション大会」、オンラインの日系大企業VR展示、また日系大企業と中国スタートアップ企業との個別マッチングの3部構成で、日中両国が相互補完可能な分野における日中イノベーション交流の促進を図りました。

当日のオフライン会場での来場者数は88名、オンラインのライブ中継及び録画ビデオの閲覧数は2.44万回超、VR展示の閲覧数は89.4万回超となりました。また「新民晚報」、「頭条新聞」、「第一財経」、「騰訊網」、「東方網」といった中国の主流メディアによって報告されました。(2022年9月23日時点)

 

 

|日中企業イノベーション大会 式辞

「日中企業イノベーション大会」における上海市科学技術委員会の黄紅副主任の式辞では「技術革新は経済成長を促す重要な原動力であり、グローバル化の勢いも増している。また日中国交正常化50周年という記念すべき年に、日中の企業間でのオープンイノベーションや民間の技術交流を主軸とし、日中の一流企業が尽力することで、きっと素晴らしい成果を収められると信じている」と述べました。

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上海市科学技術委員会の黄紅副主任

在上海日本国総領事館の赤松秀一総領事・大使の式辞では「イノベーションを通じて高齢化社会とそれに付随する医療や介護の問題など日中両国の共通の社会的課題に対し、お互いに強みを生かしてアプローチすること、各分野における更なる交流が生まれることに期待をしたい」と述べ、ジャンシンの日中間でのオープンイノベーションを推進するアクセラレーターとしての活躍に賛辞を送りました。

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在上海日本国総領事館の赤松秀一総領事・大使

ジャンシン創業者である田中年一CEOは「近年コロナによって日本の中国に対する距離感が広がってしまっているが、このような状況だからこそ民間レベルでの企業と企業、人と人とができる限り交流を続けることが重要」と強調しました。またスローガンの「以心創新」の含意は「以匠心致初心、以創新致未来」であり、今の日中間においては匠の心のように手を抜かずに全精力を注いで初心とも向き合い、そして創新(イノベーション)を以て未来に向かっていきたいと述べました。

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ジャンシン創業者である田中年一CEO

 

式辞のビデオレビューはこちらWechat公式アカウントからご覧ください。

 

 

 

|日中企業イノベーション大会 日中企業講演

宝武鉄鋼傘下企業である宝地資産の沈康ディレクターの講演では、「宝武グループは素材関連の一流の設備を導入し、社会に役立つ優秀な人材を育成している。また技術革新への資金支援を強化し、宝武のニーズを外部に積極的に開示している。宝武グループは日系企業と今まで長年にわたり良い関係を構築しており、本大会をきっかけにカーボンニュートラルとカーボンピークアウトに向けてぜひ交流を強化して参りたい」と述べました。

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宝地資産の沈康ディレクター

ソニー中国研究院の竹中幹雄院長の講演では「ソニーの研究所は世界にあり、中国では北京、上海、深圳の三都市にある。巨大な市場で地場にあった研究開発ができること、優秀な中国の人材とともに研究開発できること、そして社会実装による価値検証ができることは中国で研究開発する強みであり、ソニー中国研究院のミッションである。現在中国におけるモビリティ、メタバース、サステナビリティ領域での提携パートナーを募集していて、今後もイノベーションを一緒に起こしていきたい」と述べました。

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ソニー中国研究院の竹中幹雄院長

米思米(中国)精密機械貿易有限公司の執行役員常務である馬場隆氏の講演では、「イノベーションの源泉はどこにあるのか」について述べた後、ミスミの新たなサービス「PASS」を創出したプロセスおよび開発から生産、販売までミスミの組織論を紹介しました。「ミスミは現地社員の自発性と顧客の声を重視し、時間の価値、最新の技術、オープンな考え方を求め、今後も中国の企業・機関とお互いに手を取り合い、イノベーションを『共創』していける未来を共に創っていきたい」と述べました。

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米思米(中国)精密機械貿易有限公司の執行役員常務である馬場隆氏

三井住友海上火災保険株式会社の董事兼総経理である菅正彦氏は、三井住友海上は日本最大級グローバル保険グループであるMS&ADグループの中核として、「国際貿易プラットフォーム」「モビリティ」「スマート製造・建機」「ヘルスケア」4つの取り組みを中心に、リスクソリューションにかかわる新たなビジネスモデルの構築を紹介しました。また「オープンイノベーションによりリスクソリューションのプラットフォーマーとして社会と共に成長し、人と環境にやさしい、安心・安全な社会を実現していきたい」と述べました。

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三井住友海上火災保険株式会社の董事兼総経理である菅正彦氏

 

日中企業講演のビデオレビューはこちらWechat公式アカウントからご覧ください。

 

 

 

|日中企業イノベーション大会 座談会

インフィック株式会社の増田正寿代表取締役は「将来科学的介護の時代には、今までの介護資格に加え、介護のスキルとITのスキルを兼ね備えたIT介護士の活躍が期待されている。IT介護士は介護事業のノウハウと、IT人材育成のノウハウを融合させた民間の任用資格で、今後は中国の皆様にも取得していただくことで、質の高い効率的な介護を実現する。インフィックグループは介護・人財・IoT&AI・金融・海外からなる介護総合支援事業を日本全国で展開をしている。また現在は静岡県と浙江省との介護交流を促進するために、介護交流プラットフォームの構築に向けて大学や民間企業と連携し、今後中国で構築されている様々なプラットフォームとも連携をしていきたい」と述べました。

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インフィック株式会社の増田正寿代表取締役

交通大学の蘇雅講師は「中国と日本のどちらも介護者の人手不足という共通課題がある。高齢者の生活の質を向上するためにも、高齢者の身体のケアだけではなく、心のケアや社会的自立に向けた介護とリハビリサービスを提供することに期待をしたい。また今後は介護サービス、リハビリ技術、人材育成などにおいて、日中間の協業を更に強化し、高齢者の自信を高め暖かい環境を提供していきたい」と述べました。

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交通大学の蘇雅講師

上海康仕門診部の徐光彩院長は「現在、高齢化の進展が急速な中国において、介護とリハビリの領域を中心に施設が大規模に展開している。将来は多様な家庭の支援ニーズ、安定的な資金の確保、介護システムの標準化にフォーカスする必要がある。介護事業は最終的にメンタルケアの競争となるため、施設や企業は、他の施設や自宅で体験できない楽しさを提供することで、自らの参入障壁を構築できる」と述べました。

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上海康仕門診部の徐光彩院長

上海市小咖雲康復補助器具産業促進中心の江暁雋理事長は「現在、小咖雲は銀髪経済(シルバー経済)という国の戦略に基づき、事業の立ち上げからマーケティングまで全面的な支援を提供する。今年は輸入博で医療をテーマとする展示エリアと提携して、介護とリハビリのテーマを展示する予定で、来年は上海科学技術委員会、情報通信技術委員会、衛生健康委員会、民政局の4つの政府機関と共に、スマート介護モデルの構築を推進する予定である。今後は小咖雲のプラットフォームを通して、中国企業が日本の先端企業から豊富なノウハウを吸収し、実際の案件を通して企業の市場シェア拡大をサポートしていきたい」と述べました。

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上海市小咖雲康復補助器具産業促進中心の江暁雋理事長

国立研究開発法人科学技術振興機構北京事務所の横山聡代表は「JSTが日本の文部科学省傘下の機構であり、日本科学技術の窓口として中国の科学技術部と環境保護、気候変化、地震と防災などに関する共同研究を実施している。研究以外に、中国の若手研究者を日本に招聘する事業も取り組んでおり、中国技術協会と2017年から毎年『ICT技術の活用による高齢化社会への対応に関する日中科学技術フォーラム』を開催している。またJSTから研究開発事業関連の支援をいただいて、中国で製品を販売することも可能であり、JSTを通じて日中両国の交流にお手伝いしたい」と述べました。

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国立研究開発法人科学技術振興機構北京事務所の横山聡代表

 

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