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10月15日に開催された「Venture with Japan」についての報告

2020年10月15日、ジャンシン(匠新)は上海市外国投資促進中心、JETRO、みずほ銀行の3社と共同で「Venture with Japan」を開催いたしました。本イベントは日本企業と中国イノベーション企業の連携をサポートすることが目的とし、第一回の今回は日中間で関心が高い「スマート製造」をテーマに、日本企業との連携を望む優秀な中国イノベーション企業5社にご登壇いただきました。日本の企業や投資家を含む視聴者にオンラインで行われた当日のイベントの様子をジャンシンインターン生の三浦慎之介が紹介いたします。

・オープニング

まず、上海市外国投資促進中心主任の薛鋒(シュエ・フェン)氏、JETRO所長の水田賢治氏のお二人よりオープニングのご挨拶をいただき、ジャンシンCEO田中より中国のスタートアップエコシステムとイノベーションについて簡単にご紹介させていただきました。中国でエコシステムが構築されている主な都市は北京、上海、杭州、深センの4つの都市であり、これらの4つの地域だけで中国全体のユニコーン企業の8割を超えるこ、中国トップ50投資機構による投資件数の推移等について触れて、「新工業」分野が急成長していることを挙げました。

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【画像1】中国トップ50投資機構による業界別投資件数の推移

また、米国GAFAに匹敵するBATHを始めとする急成長中の中国企業や、また中国政府が現在主導する「新インフラ」政策についても紹介させていただきました。

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【画像2】中国のデジタル経済を更に推し進める「新インフラ」政策

今回はこのように注目を集める「新工業」や「新インフラ」とも関連の深いスマート製造に関する中国スタートアップ企業5社に登壇していただきました。それぞれの企業の講演内容は以下です。

・隆博機器人(深圳)有限公司(以下“AICROBO”)

最初の登壇企業はAICROBO。同社は、自律移動ロボット(AMR)による屋内での物流ソリューション提供しており、製造業や倉庫業などの国内工場からフォーチュン・グローバル500に選出される企業まで多くの企業に対して、豊富なプロジェクトの経験を生かして柔軟かつコスト効率の高いソリューションと、設計からアフターサービスまでワンストップでサービスを提供しています。

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【画像3】前方で人間が牽引するカートを認識し、自動で追跡している様子

ライントレース技術、ランドマーク技術を経てAMRという社内物流の最先端技術を用いることによって広範かつ柔軟に変更可能な物流ソリューションを提供しています。

現在は中国国内が中心ですが、日本でも既に導入されており、今後はフランス、シンガポールへの進出も計画しているとのこと。本ブログで取り上げた工場や倉庫の物流以外にも、スマート医療の分野やホテルやレストラン、さらには家庭での清掃にも応用が期待できます。

・Soft Robot Tech Co., Ltd. 北京軟体機器⼈科技有限公司(以下“SRT”)

2社目の登壇企業であるSRTは米ハーバード大学、ノースイースタン大学、北京航空大学などの有名大学出身者から成る研究開発チームを擁し、ソフト材質を用いたロボット技術によるソリューションを提供しています。SRTは産業の自動化領域における軟体ロボットの普及と応用に取り組み、複雑な製品の取り扱いに関して、シンプルで信頼性の高いソリューションを提供し、クライアントと共に新たな価値の創造に取り組んでいます。例えば医薬品や精密機械の製造工場で導入されています。

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【画像4】ソフト素材を用いたアームを使って医薬品を扱っている様子

SRTは既に傘下のハイテク企業を含む中国国内拠点を5カ所、日本を含むアジアとEUそして南アフリカの地域の14か国で海外代理販売拠点を置いています。またISO9001認証EU AP認証、EU RoHS認証、そして米国と日本でのFDA認証を取得し、60を超える国内外の知的財産権も所有しています。 既に日本の玩具関連の大企業と取引を開始しており、今後は医療分野等の多くの日系企業と知り合い、日本の高品質の製造をサポートしたいとのことでした。

・RealWear Intelligent Technology Co., Ltd.  瑞欧威尔(陕西)智能科技有限公司(以下“RealWear”)

RealWearは先進的な技術を持つ産業用パーソナルコンピューティングプラットフォームのパイオニアであり、フォーチュン・グローバル500に選出される企業の80%以上からの信頼を獲得しています。同社のウェアラブルコンピュータは音声認識によるハンズフリーでの操作が可能で、さらにAR、AI、IoTの技術を組み合わせてデータを取得し、クライアントのDX推進をサポートしています。そして人間がより安全に、素早く、効率を上げながら業務を完了できるようにサポートすることで、生産性の向上とコストの削減を実現しています。

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【画像5】ハンズフリーヘッドフォンが工場の現場で実際に使用されている様子

RealWearは急成長を続ける中国市場をベースに、産業チェーンのコア技術の高度化と研究に取り組み、産業におけるIoTの発展に尽力しています。豊富なハードウェアとソフトウェア、そして川上と川下におけるリソース、中国企業のための個別のソリューションの提供によって、自動車、エネルギー、石油化学、鉄道輸送、スマート製造、航空宇宙、医療ヘルスケア、公安や消防がDXによって生産性を向上させる手助けとなっています。

また、ある日系企業ではコロナ禍で日本人技術者が中国に行き現地の作業員に指導ができなくなったため、Real Wearの製品を用いて日本から遠隔で技術指導をしたそうです。

・Malu Innovation錐能機器人(上海)有限公司(以下“Malu Innovation”)

Malu Innovationは2015年に設立以来、大規模クラスターロボット製品を製造し、物流倉庫業において、スマートウエアハウジングとロジスティクスに向けての多様なソリューションを提供しています。そのなかで特にロボットのスケジューリング、可視化、ビックデータを利用した業務分析の分野においては常に一歩リードしているハイテク企業です。eコマース、小売、衣料以外に製造業まで様々なビジネスシーンに対応できるため、JD(京東)、GOMEグループ、ジャガーランドローバー、SAIC、ナイキといった業界最大手企業にも採用されています。

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【画像6】大型倉庫でMalu InnovationのAGVが導入されている様子

ビックデータを利用したプラットフォームを構築することで、上記の画像の倉庫では135台のAGVを同時に操作し最大1000通りのルートパスから最適化された運行が可能となり、導入と変更が容易なシステムを提供しています。Malu InnovationはIndustry4.0を視野に入れたソリューションを提供しており、倉庫業務だけでなく自動車製造などの場面でも導入されています。日本では既に関東首都圏、今年中に関西、そして来年8月までに全国の範囲でメンテナンス体制を整える準備を進めているとのことです。

・IFS Co.,LTD. 埃伏斯智能科技(上海)有限公司(以下“IFS”)

IFSは2017年度に設立されたFAに専念する会社であり、特に自動車産業に力を入れています。 業務内容については、治具設計、製造、調整、ロボットティーチング、電気工程、機械ビジョン、自動化測定などです。昨年10月に日本に進出し、名古屋にも事業所を構えています。自動化制御エンジニアリングを扱う会社は中国に多くありますが、IFSはトップ企業から熟練の技術者が集まり責任感を持ってビジネスを展開しており、多くの日系企業を含むクライアントから評価を得ているとのこと。

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・クロージング

最後にみずほ銀行イノベーション企業支援室長の波多野充彦氏よりクロージングのご挨拶をいただきました。

昨今のコロナ禍のなか、人々の生活や仕事のやり方が変わってきているが、それを支えるのがイノベーションであり、苦境を克服してより良い形を目指すためにも今回のイベントでの機会をビジネスにつなげてほしいとのことでした。また、ご自身の深センと上海の経験を通じてみても、中国のイノベーションは非常に速く、まずは導入し、不具合が発生しても修正しながら進めて適応していくことが特徴で、日本企業も見習う部分もあるのではないかとのことでした。

今回のイベントでは日本への進出や日本企業との連携を視野に入れている優秀なイノベーション企業に登壇いただきました。どの企業も既にグローバルに活躍する大企業が導入する最先端の技術を提供していたりと、新しい知識も多く大変勉強になりました。今回は時間が限られていたこともあり、イベント内で全ての質問にお答えすることは出来ませんでしたが、終了後は技術やサービスに関する質問からビジネスを視野に入れた真剣な問い合わせまで多くのご連絡を頂き、大盛況に終わることができました。

このように、ジャンシンは日本の大企業と中国のスタートアップ企業双方のオープンイノベーションを推進するプラットフォームとして、日中のビジネスにおける協力の幅を広げ、両国の持続的発展のために貢献できるよう、尽力して参ります。

今後も、毎月開催している「双創ナイト」をはじめとする各種イベントはZoom等を用いてオンライン開催にする予定です。参加も無料で、他では聞けない中国の最新動向から、ビジネスにつながるイベントまで、豊富なコンテンツをご用意いたしますのでどうぞ気軽にご参加ください。

日時などの詳細情報は弊社HPやFacebookにて告知するほか、ジャンシンが配信している「中国イノベーション通信」でもお知らせいたします。

HP:http://www.takumi.ltd/blog

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また「中国イノベーション通信」ではイベントの告知以外にも、中国のイノベーションに関する最新ニュース、コラム、イベントなどの情報を掲載させていただいております。購読を希望される方は弊社までお問い合わせください。

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