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亲橙里ツアー@杭州 ご報告

2018年5月26日

· 双創ツアー

亲橙里ツアー

2018年428日、アリババが杭州に、初の直営ショッピングモール「橙里(チンチャンリー)」をオープンしました。匠新は、526日に日本人参加者を先導し、橙里の見学ツアーを行いました。今回は、匠新インターン生の西口樹里(東京大学2年)が、当日のツアーの様子をお伝えしつつ、橙里についてご紹介します。

1 淘宝心选

入り口に入ると、まず淘宝心(タオバオシンシェン)が目に入ります。淘宝心选とは、淘宝が展開する、食器や雑貨、日用品などを取り扱うショップです。お店の前には日本発のゲームアプリ「旅かえる」の像が置いてあり、子供たちが一緒に写真を撮っていました。中国での大ヒットを受けて、旅かえるはアリババとのコラボを行っています。

旅かえる

店内は日本の無印良品によく似ていて、清潔感のある内装です。

雑貨からリュック、家電に至るまで、品揃えが豊富でした。しかし日本の清潔な店内、綺麗なレイアウトに見慣れているためか、あまり新規性は感じられませんでした。

商品の近くにはQRコードが設置され、読み取ると淘宝(アリババが展開するCtoCのオンラインショッピングモール)のサイトに遷移し、購入できる仕組みになっています。アリババが掲げるニューリテール戦略(オンラインとオフラインの融合)を宣伝する、広告としての役割が大きいのかなと思いました。

2天猫精灵

次は隣にある天猫精灵へ。ここではAIを搭載したスピーカーを販売しています。

安いスピーカーだと100元(約1700円)ほどで売られており、Google Home Amazon Echoよりもお手頃価格でした。しかし話しかけても反応しなかったり、反応しても時間差があったりと、精度はそれほど高くないようです。

店内を進むと、異次元世界へワープするという設定で、映像が壁に投影される部屋がありました。臨場感があり、神秘的な世界で面白かったですが、指でタッチしても反応するわけではなく、ただ見るだけで少し物足りなく感じました。

全体的に、新しく開発された技術をとりあえず商品化してみた、という印象を受けました。ただ、オンラインショッピングでスピーカーは買いづらいので、実店舗で機能を試せるという意味で、ニューリテール戦略との親和性は高いのではないかと思います。

3 AR機能

さらにMiSHowというアパレルショップへ行きました。お店の前にはAR(現実にバーチャルな画像を重ねて表示したもの。拡張現実)を搭載した機械が置かれていました。この機械はVirtual Fitting Systemと呼ばれるもので、前に立つと自動的に顔を撮影し、画像を解析してスタイリングの提案をしてくれます。身長や胸囲など体型は自分で操作でき、女性の場合は好みの服を選択できます。画像は立体的で、よりリアルな感じがしました。

しかし、画像解析するのは顔だけなので、なんだか中途半端な感じもします。どうせなら体全体を撮影して、体型まで解析した方が、実際に着た様子により近くなるはずです。もはや自分で試着した方が早いのでは?と思ってしまいました。

と思ったら、店内には身体の動きに合わせて、服を着た画面内の自分が動くタイプもありました。

洋服の画像を上からただ被せている感じが否めませんが、生地の質感や動きをもっとリアルに表現できれば、このシステムがマネキンに代わる役割を果たす可能性もありそうです。

お店の近くには、写真を撮るとAR機能によりその場で加工して、さらにプリントまでできる機械もありました。日本でも人気のある画像加工アプリ「SNOW」によく似ています。

4 盒马鲜生

最後に、アリババのニューリテール戦略の中核である食品スーパー、盒马鲜(フーマーシエンシェン)に行きました。地下の1フロア全てを盒马鲜生が占め、多くの中国人客で賑わっていました。実店舗で購入できるだけでなく、アプリからも注文でき、店舗から半径3㎞以内ならなんと30分以内に家まで配送してくれます。

店内では野菜、果物、惣菜からお菓子など色々売っています。

しかし、盒马鲜生の売りは何といっても海鮮。店内の水産物エリアにはたくさんの水槽が並び、お客さんが自分でカニなどを網ですくって取っていました。

オンラインでの注文が入ると商品の入った袋がレールに乗せられ、どんどん運ばれて行きます。

店内で注文した海鮮は、その場で調理してもらって食べることも出来ます。地下全体の半分くらいが飲食スペースで、フードコート並みに広いです。アリババが、オフラインでの提供をかなり重視していることがわかります。

他の飲食店も幾つか入っていますが、新鮮なうえにエンターテイメント性があって楽しく食べられるので、やはり海鮮が人気でした。

レストラン以外に、ピザやジュースの無人販売機もありました。しかしわざわざ食べる人は少ないようで、ほとんど誰も買っていませんでした。

店内で買いたいものが決まったら、お会計はセルフレジで行います。支払いは、スマホで盒アプリからQRコードを出し、バーコードにかざしたら完了です。ちなみにモール内の全店舗はアリババ系列のため、Alipay(支付宝)しか使えません。

セルフレジと言いつつ、店員さんが常駐してくれています。

ツアー参加者のほとんどはAlipayでの支払いが出来なかったため、現金用のレジでお会計を済ませていました。

現金での支払いの様子

支払いを全てスマホで行わせることは、企業側がビッグデータを管理するには便利ですが、観光客にとってはかなりハードルが高いように思われます。このレジは、そういった観光客などスマホ決済が難しい人々のニーズに合わせて後から設置されたもので、アリババが初めからAlipayを通じたデータ管理を意図していることがわかります。

スーパー自体が、倉庫としての役割を兼ねることでオンライン注文に対応する点、広々とした飲食スペースを確保し、エンタメ性も交えつつオフラインでの提供を充実させる点は、今までにない発想で非常に面白いなと思いました。

ツアーを終えての感想

橙里のメインとなる店舗を回ってみて、「最新の技術を実店舗で試してみる」ということを全体のコンセプトとして感じました。盒马鲜生のような、アイデアと技術がうまく噛み合っている店舗は、日本が参考にできる点も多いのではないかと思います。一方で、AIスピーカーやVirtual Fitting Systemは、技術が追いついていない部分が多く、まだまだ改良の余地があり、今後の技術の発展次第で大きく成長する可能性を秘めていると言えます。

実は私は、橙里に行く前は、アリババの技術がものすごく発展していて、日本よりも進んでいる面ばかりではないかと思っていました。しかし実際にツアーを通じて体験してみると、アリババが色々と試行錯誤していて、まだ発展途上である状態が見えてきました。実際に自分の目で見て体験することの大切さを再認識すると同時に、日本の企業が中国のマーケットに入り込む可能性を実感できたツアーでした。

匠新では、このように、中国で何が起きているのかについて、リアルな情報を得られるツアーを今後も行います。ご興味のある方はぜひ匠新までご連絡ください。

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